「英語の勉強に、文法なんていらないよ。アメリカ人だって、文法を習わなくても、子どものころから、自然に英語を身につけてるでしょ?」
……って言う人、たまにいるよね。でもそれは、ちょっと違うんじゃないかな、って私は思ってる。
英語は、自然に身につくの?
確かに、アメリカの子どもは、文法を学ばなくても、自然に英語を話せるようになる。これは、私たちの日本語も、同じ。日本語の文法を習わなくても、世界でいちばん難しいと言われる日本語を、ふつうに読んで、書いて、話してるもんね。
でも、アメリカの子どもが自然に身につけられるのは、一日中、英語に囲まれているから。朝起きたら、お母さんが話しかけてくれる。ごはんのときも、家族がいろいろ話しかける。絵本で、アルファベットや単語を覚える。一日中、英語漬けだから、いやでも身につくの。
でも、学生や社会人の私たちが、一日中英語に囲まれて暮らすのは、とても難しいよね。留学すれば、できなくはないけど、お金も時間もかかるし、仕事を辞めるのも、相当な覚悟がいる。
でも、大丈夫。私たちには、大人の知恵があるから。
英語の「地図」を持つ
その知恵とは、英語の法則を知ること。
南の島に埋まっている宝物を、探しに行くとするよね。必要なものは、何だろう? そう、地図。地図もなしに、やみくもに船を出すわけにはいかない。
英語も同じ。攻略する方法がないと、なかなか上達できない。その攻略法が、英文法なんだよ。
英文法と聞くと、学校の授業を思い出して、苦い記憶しかない人も、いるかもしれない。でもそれは、英文法そのものが悪いんじゃなくて、学校での教え方に、問題があったんだと思う。
例題:The book she read has a yellow cover.
ちょっとだけ、例を出すね。マジックの種明かしを聞くつもりで、読んでみて。
The book she read has a yellow cover.
book は本、yellow は黄色、cover は表紙。ここまでは、簡単だよね。
じゃあ、read と has、2つの動詞があるけど、述語の動詞は、どっち?
まず基本のルール。1つの文には、述語動詞は1つしか使えないの。だから、read と has の、どちらかが述語動詞。
read を見てみよう。主語が三人称単数の she なら、reads と、s がつくはず。でも、ついてない。ということは、read は現在形じゃなくて、過去形だって分かる。
そうすると、has の主語を探すことになる。has は、三人称単数の現在形だから、それに合う主語は、単数名詞の the book。つまり、she read は、関係代名詞が省略された形で、the book を説明するまとまりなんだ。
結局、この文は、こういう意味になる。
彼女が読んだ本は、黄色い表紙だ。
こんなふうに、英文法という攻略法があれば、英文が攻略できるの。ゲームの攻略本を見ながら進めてるみたいで、ちょっと楽しいでしょ?
単語だけで、適当に解釈するのは危ない
知ってる単語の意味を、適当に並べて、自分流に解釈してしまうと、たまにはいい線いくこともあるけど、とんでもなく間違った意味にとってしまうことも、あるんだよね。
ちょっとした雑談なら、笑って許してもらえるかもしれない。でも、仕事の会話や、ビジネス文書だと、その誤解が、大きなトラブルにつながることもある。国と国のやりとりでも、通訳や翻訳のミスが、外交問題になることがあるくらいだもんね。
だから、文法というルールを頼りに、正しく解釈していこう。慣れてくると、さっきの文みたいなのも、一瞬で、構造が見えて、意味も分かるようになるよ。
英文法は、つまらないものじゃない。あなたの敵でもない。英語を上達させるための攻略法で、とっても便利な味方なんだ。うまくつきあって、使いこなしてね。
- アメリカの子どもが英語を身につけられるのは、一日中、英語漬けだから
- 大人は、英語の法則(文法)を知ることで、効率よく身につけられる
- 文法は、英語を攻略するための「地図」であり、味方

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